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06/03/25
『西洋儀式魔術講座』

06/03/25_c0005422_1055957.jpg講演したのは写真のひと、ロン・ミロ・デュケット氏。
アレイスター・クローリの流れを汲む魔術師だ。クローリは断片化していた過去の魔術を集大成した20世紀最大の魔術師。その直系の弟子だから相当偉いひとだ。

「今日お話するのはステージ・マジシャンについてではない」
という出だしから話は始まった。
ユーモアに満ちた1時間くらいの講義内容で、ボクなりに理解したところをいうと以下のとうり。

彼らの魔術がめざすのは魂の向上。最終的には神意識にいたる。キリスト教から派生して、これを目指したのはグノーシス派が有名。一方ユダヤ教ではカバラ。錬金術も最終的にこの地点を目指している。ところがこれはキリスト教とは相容れない。神の子はイエスひとりというドグマに抵触するからだ。
すべてのひとが神では、はなはだ都合が悪いのだ。そこでこれらの一派は何度も過酷な弾圧を受けてきた。やむなくかれらは地下にもぐりその血脈を細々とつないできた。しかし、弾圧の過程で失われたものも多かった。四散した断片を拾い集めて集大成したのがアレイスター・クローリというわけだ。
ほぼ同時代にグルジェフやブラバッキー婦人がいる。彼らの根底にあるのは東洋思想だ。それに比べてクローリは純ヨーロッパ産といえるだろう。かれの魔術はヨーロッパの土壌から生まれた。
にもかかわらず根本において東洋とそれほど距離感がないのは不思議といえば不思議だ。
「儀式魔術」というくらいだから、形からせめていって魂意識にいたる。
この考えかたはチベット密教や日本の真言密教と、おかしいほど共通点があると感じた。
タントリックなものの考えかたまで共通している。
イエスはエルサレムに現れるまえ、インドで修業しているから、それらの考えかたを持ち込んだのはイエス自身かもしれない。
事情は判らないが、興味ふかいことではある。
ともあれ
「至りつく麓の道はおおけれど同じ高嶺の月を観るかな」
という歌に帰結するのでありますなあ。(^L~)

さてフリーメーソンであるが、とうやら「儀式魔術」とは「儀式」という点で共通項があるらしい。が、知識がまったくないのでその辺は詳述はできかねる。
ボクは失礼を承知で、日本で流布している陰謀説をかれらにぶつけてみた。
「ロスチャイルド家やロックフェラーといったフリーメーソンとつながったユダヤ勢力が世界支配を目論んでいるという噂が、日本にはある。このことをご存じか。ご存じであれば、どう思うか」
かれらの答え。
「知っている。それはユダヤ人を虐殺したナチが、みずからの正当性を宣伝するために流したプロパガンダであって真実ではない」
そして、もしよければと、ボクを誘ってくれた。
「東京タワーの近くにロッジがある。明日そこに案内したい」
ところが明日ボクはふ~やたちとマクロビのレストランで会う約束がある。
それをいって断ったが、もう一日滞在を延ばして案内してもらえばよかったと、翌日になって後悔した。その詳細は明日書く。

講演のあと立食パーティになったが、ボクが食べれるものはドライフルーツとナッツくらい。
ドライフルーツをつまんで赤ワインをぐいぐい呑んだ。そのせいか最後には会場から赤ワインがなくなってしまった。(^^;)
by ともよし by tabenai | 2006-03-25 23:53 | 近況リポート
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